2歴代誌34章、1ペテロ5:6

”みことばを聞いてへりくだるヨシヤ王”  内田耕治師

 

ヨシヤ王のとき、エレミヤは預言者として主に召された。ヨシヤ王の頃まで南王国は何とか独立が保たれていたが、ヨシヤが死んでエホヤキム王になると、初めにエジプトの属国になり、次に台頭してきたバビロンの属国になり、ゼデキヤ王のときに反抗してバビロン帝国に滅ぼされた。けれども小さな南王国が強大なバビロンを相手にしたからではなく、その不信仰のゆえに神に裁かれて滅びたのであり、バビロンはそのために用いられた道具だった。

ヨシヤとその後の王達を比べると、エホヤキムもゼデキヤも主の目に良くない王だったが、ヨシヤは宗教改革を行い、人々を主に立ち返らせようとした主の目にかなう王だった。彼はまず偶像を排除することから改革を始めた。ただし偶像をなくしても人々は真の神を忘れ偶像を求める思いが依然としてあったので問題は続いた。ヨシヤの時代に書かれたエレミヤの預言にも偶像礼拝を攻撃するところがたくさんある。また神殿礼拝はないがしろにされ、神殿には多くの破損があるのに放っておかれた。ヨシヤは神殿礼拝の回復が人々を主に立ち返らせる道だと考えて神殿の修理を始めた。

修復工事を始めると、主の律法の書が発見された。ヨシヤはそれを朗読させてみことばを聞き、自分の先祖がみことばを守らず、主が忌み嫌う偶像礼拝を蔓延(はびこ)らせた罪に気づいてショックを受け、へりくだった。先祖とは祖父マナセ、父アモンのことだ。詳しくは2歴代誌33章、2列王記21章を参照。後継者は先達の残した問題の後始末をさせられるが、ヨシヤは積極的に先祖の罪を自分の罪として悔い改めた。ヨシヤと同様、私達も先祖の罪を自分の罪として悔い改めた。最初の人であるアダムとエバが犯した罪である。

ヨシヤはそこまで悔い改めたことを女預言者フルダに伝えて、彼女から主のみこころを求めた。彼女はまず南王国が神から離れて偶像礼拝を続けたゆえに神のさばきを受けるのは避けられないと語った。今の私達に適用すると、それは世の終わりのさばきのことである。「あなたは心を痛めて神の前にへりくだって、――自分の衣を引き裂き、わたしの前に泣いたので、わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる。――あなたは平安のうちに自分の墓に集められる」へりくだった自分が祝福を受けると聞いたヨシヤは大いに喜んだ。今の私達に当てはめると、みことばを聞いて悔い改めて主を信じた私達は永遠の祝福を受けることである。

祝福の約束を聞いて喜んだヨシヤは早速、みことばを多くの人々に読み聞かせて守らせようとした。1人でも多くの人達がみことばを聞いてへりくだり祝福を受けてほしいと願ったからである。

その願いは私達も同じだ。「ですから、あなたがたは神の力強い御手の下にへりくだりなさい。神は、ちょうど良い時に、あなたがたを高く上げてくださいます」これは私達の願いを表す。私達もみことばを聞いて主の前にへりくだることがもたらす祝福を知っている。だからヨシヤと同じように1人でも多くの人々にみことばを伝えようとしているのである。