礼拝説教の要旨・2025年7月13日・黙示録3:7-13
“全世界に来る試練の時、主はあなたを守る”
初め死者の復活を否定するサドカイ派が主の復活を主張する使徒達を迫害したが、回心前のパウロがしたようにパリサイ派も迫害し、伝道旅行のパウロをユダヤ人が妨害し、使徒の働き後半ではユダヤ人がパウロを殺そうとしてローマの軍隊が守ったように初期の迫害者はユダヤ教だ。その後ローマ帝国も迫害を始めた。最初の迫害者は皇帝ネロだ。ネロはAD64年、ローマに大火を起こしてキリスト者達を放火犯にでっち上げて処刑した。次にドミティアヌス帝が第二の迫害者だ。彼はAD89年以来、自分を神格化し始めた。それまでの皇帝礼拝は、恩恵を与えてくれた皇帝に対する感謝として特定の地域で特定の皇帝に死んでから献げられたものだったが、ドミティアヌスの神格化は生きている皇帝を皇帝であるがゆえに崇めることだった。そんな時にフィラデルフィアの教会にみことばが与えられた。
「聖なる方、真実な方、ダビデの鍵を持ち、その鍵を用いて開けたり閉じたりする1人のお方」とはイエスキリストであり、その鍵とは天国の鍵だ。「わたしのことばを守り、わたしの名を否まなかった」フィラデルフィアの信者は人間的にそんなに強い人達ではないが、「あなたには少しばかりの力があって」主から力を与えられ、皇帝礼拝を強要されてもキリストの名を否まなかった。「見よ、彼ら(ユダヤ人)をあなたの足もとに来させてひれ伏させ、わたしがあなたを愛していることを知らせる」ローマ帝国に迫害されるキリスト者を嘲るユダヤ人はやがてキリスト者の正しさを認め、悔い改めて主を信じるようになる。「あなたは忍耐についてのわたしのことばを守ったので、地上に住む者達を試みるために全世界に来ようとしている試練の時には、わたしもあなたを守る」皇帝が神格化する試練は、今後、全世界にやって来る。その時キリスト者だけでなく、すべての人々が試練に遭う。現在の世界にはそういう兆候がある。だが、主は試練の中で「わたしはあなたを守る」と約束する。
「わたしはすぐに来る」キリストの再臨を表す。試練の中にいるあなたのところに主がやって来て、あなたを救い出すと約束する。その約束を信じてキリスト者は2000年間、主を待ってきた。まだ主は来ていないのにいつか来られると信じ続けている。そのために主がいつ来られてもいいように備える必要がある。「あなたは、自分の冠をだれにも奪われないように、持っているものをしっかり保ちなさい」冠とはキリスト信仰だ。信仰は一時的に燃えるのではなく保ち続けることが大切だ。それが主が来られるための備えだ。「わたしは、勝利を得る者を、わたしの神の神殿の柱とする。彼はもはや決して外に出て行くことはない」
勝利とは死に至るまでキリスト信仰を保つこと。神の神殿とは天国。キリスト信仰を最後まで保つ者は、天国から決して外れない。「――天から下って来る新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを書き記す」21章にも同じことがあり、少し先には「神の幕屋が人々とともにある。神は人々とともに住み」とか「神は彼らの目から涙をことごとくぬぐい取り、もはや死もなく、悲しみ、叫び声も、苦しみもない」と書いてある。これらが天国で神とともにある祝福だ。こういう祝福があるから試練を乗り越えていける。全世界に試練が近づく気配がある。だが、私達にはこのような祝福がある。死に至るまで主を信じ続けよう。
