礼拝説教の要旨・2025年8月17日・ダニエル5章、ルカ18:9-14
“主が導く大帝国の滅亡と再生”
バビロン帝国はネブカデネツァル王の時代に中東世界の覇権を握り、南ユダ王国はバビロンの支配下に入り、ダニエルと3人の友達はバビロンに連れて来られた。2章で王はバビロンの知者達に“自分が見た夢を言い当てて説き明かせ、できなければ殺す”という滅茶苦茶な命令を下した。でも神によってダニエルがそれを行なった。3章で王は自分の権力を誇示する金の像を造り、家来達や役人達を集めて脅してその像を拝ませた。3人の友達はその像を拝まず、火の燃える炉に投げ込まれたが、神の御手によって火の中から救い出された。4章で王は大帝国バビロンを造った自分の権力を誇示したが、ダニエルの預言通りに彼は気が変になり、しばらく獣のような生活をした。
5章ではネブカドネツァルの子(孫)ベルシャツァル王は敵であるペルシャ軍が近づき、
祖国防衛の備えをすべき時に1000人の貴族を集めて大宴会を行なった。王は“酒の勢いに任せて”エルサレムの神の宮から奪った金や銀の器を用いて皆でぶどう酒を飲んだ。突如、人の手の指が現れて、王宮の壁に文字を書き、王はガタガタと震え出した。バビロンの知者達はその文字の説き明かしができなかったが、王母がダニエルのことを話したので王は彼を呼び出し、大きな贈り物つきで文字の説き明かしを命じた。ダニエルはその贈り物を断った上で「メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン」を説き明かした。それはバビロン帝国が滅亡し、ペルシャ帝国が生まれるという神のご計画を表していた。
戦後80年。あの戦争によって大日本帝国は滅んだが、それはバビロン帝国が滅亡したことと類似点がある。バビロン帝国の滅亡は指導者の高慢さが原因だ。ネブカデネツァルは高慢さのゆえに弱小国の宝物や人材を奪い、簡単に人の命を奪おうとし、自分の権力を誇示する金の像を造り、大バビロンを造ったのは自分だと言った。ベルシャツァルは、ネブカデネツァルほどカリスマ性はないのに、敵が攻めて来る頃、大宴会を行なって余裕を見せたが、それは高慢さの現われだ。大日本帝国は太平洋戦争を始める前、アメリカと戦ったら絶対、負けるという調査結果があるのに“日本人には大和魂があるから必ず勝てる”と精神主義で戦いを始めた。その精神主義こそが日本を破滅に追いやる高慢さである。
聖書は真の神を認めず、ないがしろにするもう1つの高慢さを教える。その高慢さはネブカデネツァルにあったが、ダニエルやその3人の友達が近くにいたので彼は次第にへりくだり、真の神を認めた。だが、ダニエルが傍にいなかったベルシャツァルは真の神を知る機会がなく、神の宮だけで使うべき器を大宴会で使うことで真の神を侮った。大日本帝国は、人間である天皇を現人神として祭り上げて国民に拝ませることで偶像礼拝の罪を犯し、真の神をないがしろにした。その高慢さは、国家単位の偶像礼拝だけでなく、私達1人1人の心にも潜んでいて時々、頭をもたげる。だから主はそのために適切なみことばを残された。「だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるのです」これは国家にも個人にも当てはまる。自分を低くすることは自分が神の前に罪人だと認めることから始まる。
